CADを扱う仕事では相手方にCADデータを送る機会があります。このとき、使っているCADソフトが自分と相手で一致していればそのまま送れば問題はありませんが、一致していない場合は相手方のソフトで読み込める形式に変換をして送ってあげる必要が生じます。その際、複数のソフト間やりとり可能な図面交換ファイルとしてDXFを使うことが一般的ですが、DXF変換側のソフトと読込側のソフトが異なる場合、フォントの体裁が異なるなどの問題はもちろん、そのままでは読込不可となるケースも珍しいことではありません。変換ができたとしても表示したくないものが表示されたり、表示されるべきものが表示されていなかったということも経験上あります。ですので、CADデータの変換というのは、非常に難しいテーマであると常々感じています。
そんな中、私の環境では変換側(=AutoCAD)、読込側(=Jw_cad)というケースが多いので、AutoCADの形式であるDWGファイルを Jw_cadの形式であるJWWファイルにできる限り高い精度で変換することを目的にいろいろやってみたというのが今回の話です。
考え付くDWG→JWWの変換方法
1.DWG→DXF→JWWとする
AutoCADでDWGをDXFに変換し、Jw_cadでDXFを読み込みJWWで保存するやり方。一番簡単な方法。Jw_cadはフリーソフトですから、追加料金はかからないのが強みです。ですが、DXFに変換するときのバージョンによってはフォントの文字化けが発生するという経験がありますので、適切なバージョンを選ぶ必要がありますし、 DXFを Jw_cadで読み込んだときにマルチテキストを使っている文字が表示されていなかったという経験もあります。ブロックの可視性を使ったりしていると Jw_cadで読み込んだときに可視性のパターンが全て表示されていて「こんなはずじゃ・・・」と思ったこともあります。
したがって、AutoCAD側で予めかなり気を使っておかないといけない印象です。図面の作り方の状況によってはAutoCAD での印刷結果と Jw_cadでの印刷結果を見比べてきちんと変換されてるかを確認することもしばしば。
2.変換ソフトを使う
使ってみたソフト一覧
・IJCAD 2020 STD
・RootPro CAD 10
・ARES Commander 2022
・ProTRANS 2021
RootPro CADはフリー版、製品版ありますが、JWWでの保存に対応しているのは製品版です。製品版の購入方法は買い切りとサブスクリプションに対応しており、1か月サブスクリプションのライセンスを購入して試してみました。
それ以外は体験版が用意されており、期間限定ですべての機能を使うことができました。IJCAD・ARESはCADソフト、ProTRANSのみコンバーターという点で違いがあります。
やはりコンバーター専門ということで使ってみた中では ProTRANS が高精度で変換するのに一番手間がかからないという感想です。デフォルトの設定のみで、文字の大きさや画面上の線の色などもそのまま変換できた印象があります。 ProTRANS 2021でDWGからJWWへ変換したデータを相手方に送って感想を聞いてみましたが、とても好印象でダメなところが見つからないと満足していただけました。
3.変換ソフトを自作してみる(…?)
DXFの記述については興味があって勉強したので、ある程度心得があるのですが、JWWはどうなっているのでしょうか?市販の変換ソフトがあるのですから、記述ルールなどはあると思うのですが。(詳しく調べれば分かるのかも)それにしても大変なことは明白ですね。
結果としては、やはり変換ソフトを使うのが最善ですね。変換の必要回数が増えれば購入を検討しようと思います。これも効率化の一環かと言えば大いに当てはまります。ほとんど感想になってしまいましたが今回は以上!
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